■TV版「世界の中心で、愛をさけぶ」再見中(その2)
TV版「世界の中心で、愛をさけぶ」 のDVDを再見している。
さっき、本編全5巻のうちの第2巻(第3話と第4話)をみた。
第3話までは泣かず。
第3話末尾。
朔太郎が亜紀と一緒に、朔太郎の祖父と恋人のサトさんの骨をまいた、その帰り。
一人になった朔太郎が自転車のペダルの軽さをしる。
亜紀が朔太郎をだき、朔太郎が「世界で一番美しいものをみた」というナレーションをする、あのシーン。
うつくしい。
とにかくうつくしい。
ここでもまだ泣かなかった。
このシーンでは映像の進行と背景音楽の進行がぴったりあっている。つまり音楽が映像のコマ数にあわせた《サイズ》でつくられている。このドラマのスタッフは、シナリオだけでなく、音楽のつくりでも本気だ。と、妙に分析的に、冷静なまなざしでみていた。
しかし、第4話。
谷田部先生と現代朔太郎がグランド脇のベンチに座って、現代朔太郎の近況、亜紀の思い出を語るシーン。
「廣瀬にグランドを見せてあげなさい」という谷田部先生のセリフ。
涙が、一気に、ドバーッ、ときた。
ほんと、ドバーッ、と。
そして、朔太郎が亜紀の最後の走りのタイムをはかるあのシーン。
もう涙が止まらない。
こういうことは言葉で語るのは野暮だ。自分だけの感想としてとっておけばよい。
さっさと続きを見て、もっと涙すればよいのだが、言葉にしておかなければ、そればかり考えて、また眠れなくなる。ほかのことに手がつかなくなる。
このドラマの制作陣の本気さをうかがわせる箇所がたくさん。
細かく見ていったらきりがない。
それを言葉にしていったらきりがない。
きっと、今の二度目の再見にとどまらず、今後、何度もこの作品を見直すだろう。
こわい。