■映画「悪魔の手毬唄」(市川崑監督、金田一:石坂浩二、1977年)をみた。
市川崑が監督をし、石坂浩二が金田一耕助を演じた映画「悪魔の手毬唄」(1977年)をDVDで視聴した。
原作:横溝正史
公開:1977年
本作は市川崑と石坂浩二のコンビによる金田一シリーズの第2作目とのこと。
僕はテレビドラマ版の「本陣殺人事件」を視聴した件で昨日このブログに記事を掲載し、「横溝作品の映像化作品をいくつかみてきて、僕はガッカリ感をいだきはじめている。」としるした。
が、本作を視聴して「ガッカリ感」は解消された。
本作は、原作のディテールに変更をくわえつつ、原作のテーマとイデーをひとつの映画の尺のなかにうまく表現している。
おみごと。
磯川警部が亀の湯の縁側に座ってリカと話をするシーン。
リカに恋心をもつ磯川の振る舞いが実にうまく構築されていて、ほほえましい。
僕は満足である。
「よし、わかった!」の警部。
彼が粉薬を口から吐き出すというのもお約束なんだね、と思った。
この映画の予告篇動画がYouTubeにあったから、ここにはりつけてみるが、この予告篇動画は本編を視聴するものをミスリードする、実に悪しきものである。この予告篇は作品の本質を見誤らせるおそれがあり、よくない。
映画本編もホラー的なものをふくみもたされている。ゆえに、こうした批判は本編にもむけられる。
この作品にホラー的要素をもちこむ必要はない。
どうしてこんなおどろおどろしい印象をこの作品にあたえようとするのか。
興業上の理由なのか。
だとしたら、映画の作り手はなさけない。
僕のこの記事を読んでしまった人には、この映画の本編をしっかり視聴してほしいと思うし、横溝の原作を丁寧に読んでほしいと思う。
映画『悪魔の手毬唄』 予告篇
http://www.youtube.com/watch?v=_3zxVTgdLeU