■テレビドラマ「獄門島」(金田一:古谷一行、1977年)をみた。
古谷一行が金田一耕助を演じたテレビドラマ「獄門島」(全4回、1977年放送)をDVDで視聴した。
原作:横溝正史
放送年:1977年
1977年に放送された第1期横溝正史シリーズのなかの一作。
本作のDVDはちかくのレンタルショップにはないが、すこし離れたところのレンタルショップにある。
ちょっとした事情があり、その、すこし離れたところのレンタルショップにいって、本作をレンタルしてきた。
第1話。
ゴーゴンの三姉妹の狂いっぷりがみごと。
今にも死にそうな祖父・嘉右衛門の枕元できゃっきゃっきゃっと騒ぎ立ててまでいる。
が、お志保もまた原作とは違ったかたちで狂いすぎている。
原作とちがうところはいくつもみうけられるが、おおざっぱにいって、このドラマは原作をかなり忠実になぞろうとしているんだな、と感じながら、視聴をはじめた。
が。
与三松がいるのは座敷牢じゃないのか。
それに駐在の清水はけっこう切れもの的に捜査をしているぞ。
原作にあった清水の苦悩は皆無といってよいぐらい存在しない。
あれ?
早苗はこの事件にかなりコミットしているぞ。最後には罪の意識にさいなまれて自殺しようとしたところを金田一によって制止されているし。
与三松は狂ったような言動をする一方で、早苗を冷静沈着に励ましてもいる。かなりしっかりしているぞ。
このドラマでは月代を殺したのは村長、雪枝を殺したのは幸庵になっている。
なんでこれを原作と逆にしたんだろう?
一番の「?」は。
三姉妹殺しがおこる条件が原作におけるそれと違う。
ゆえに、すべての殺しが終わったあとで「一」の戦死の公報があったことを知ったときの了然和尚の発作的な憤死もない。
三姉妹を殺した了然、村長、幸庵の三人がそれぞれ静かに自殺をしていくのみ。
(了然の死に方ははっきりしないが、金田一の言葉からすると、自殺なのだろう。)
原作を知っていなければ、このドラマも楽しめたかもしれない。