新編 膝枕

智に働きたいと思いながら、なんかやってます。

■「少林少女」をみた。(追記あり)

映画 「少林少女」 のDVDをみた。

映画 「少林少女」 (Shaolin Girl)

 主演:柴咲コウ
 監督:本広克行


別のDVDの予告編映像にこの作品の紹介がふくまれており、「柴咲コウ」のセリフがあった。すごくかわいらしいセリフで、柴咲コウの声もかわいらしかった。ぼくにとって柴咲コウといえば「かたちあるもの」。で、彼女のことが気になって本作をレンタルしてきた。


柴咲コウ」と「本広克行」監督、両方が目当てだったのだが、肝心の作品については正直よくわからなかった…

何も考えられなかった。

考える余地はないのだろうと思った。

本広監督といえば、ヘリコプター。

本作でもヘリコプターが登場する。しかし、その必然性が理解できなかった。

ま、いいや。

ラクロスのチームメンバーがみんなかわいらしかった♪


さて、ぼくは本作の存在をすでに知っていた。

全国展開しているCDショップ発行のフリーペーパーに、「少林少女」に関する本広監督へのインタビュー記事があって、僕はそれを読んだことがあるからだ。

「少林の心」という言い回しが本作のあちらこちらにでてくるが、それでくだんのインタビュー記事の内容を少し思い出した。

少林拳法に関して誤解を与えないように、その神髄を正しく伝えるように、本作のシナリオなどを何度も描き直して、少林拳法のお偉いところからやっと許可を得たとかいう話が紹介されていたと思う。


柴咲コウ仲村トオルとの戦いに向かう途中で、雑兵たちとのいろんなからみがある。岡村隆史も高い塔の上から落っこちてくる。でも、彼らの誰一人として死んでいない。

ただ、ドラゴンボールみたいな戦いの展開には苦笑を禁じ得なかった。


たぶん愉快なエンターテイメントなのだろう。

少なくとも不愉快とは無縁の楽しい作品だ。


* * *



映画「黄泉がえり」に「RUI」という名前の歌手が登場する。(あれって「柴咲コウ」だよね?)と思ったが、クレジットには「RUI」と書かれていた。そのときは調べなかったが、本作を見て、気になって調べたら、「RUI」は「柴咲コウ」だった。

だからなんだって感じだが、俳優としての柴咲コウを「柴咲コウ」の名前と明確に結びつけて僕が最初に見た作品が本作だということだ。

今回はこんなところで、この記事は終了。



〔2月21日 管理人追記〕
本記事UP後、本作品の内容について、気になって頭からどうしてもはなれないことがひとつ出てきた。批判的なことを記すがゆえに、問題の箇所の再見をしてから追記するのが本来とるべき手順なのかもしれないが、今の僕にはその元気がない。言葉にすることによって頭のなかをすっきりさせるというのが主目的であるが、初見時の感想を記す備忘録としての目的もあって、本追記を記すことにした。


コーチである江口洋介は、「おまえには無理だ」といった趣旨のことをいって、柴咲コウを試合に出そうとしなかった。しかし、柴咲コウラクロスの練習試合に後半から出場する。柴咲コウの活発な動きにもかかわらず、点は入らず、チームは負ける。

その試合のあと、柴咲コウはチームメイトからこんな趣旨のことを言われる。

 「あんたはみんなを信用していない。」

実際、柴咲コウ自身にもチームプレイの意味がよくわからないという自覚がある。

で、ここで僕が疑問に思うのは、ここに至るまでのラクロスの試合のシーン。

柴咲コウのシュートが相手ゴールのバーにあたり、それが跳ね返って、自陣ゴールにはいる。一種のオウンゴールだ。あるいは、柴咲コウの放ったボールが、グランド脇で応援するチームメイトの方に飛んでいく…

たしかに、柴咲コウはチームメイトにパスを回したりしてはいなかったかもしれない。でも、試合中の柴咲コウの行動、および、その行動の結果というのは、《不運》(ボールがバーにあたったケース)、あるいは、《プレー技術の未熟さ》(ボールがとんでもないところに飛んでいくケース)をあらわしてはいても、柴咲コウがチームメイトを信用していないとか、チームプレイの意味がわかっていない、とかいうことを例証するものとは思えない。

言葉づらで役者に「これこれ」と言わせるのは簡単だが、それのさす具体的な事象が「これこれ」と表現されるのにふさわしいものであるか否か、ということについては、冷静な分析が必要だろうと思う。

言葉に表現されたものと、目に見える行動およびその結果との整合性がたもたれていないと、その作品は意味のわからないものになる。《よい作品》というものは、最低限の前提条件として、その辺の配慮がきちんと行き届いているものなのだろう、と本作を見て思った。

それと、「少林の心」というものと、チームプレイというものとが、作中においてはリンクしているのだろうとは思うが、本作の構成からは、僕の中で両者がどうにもうまく結びつかなかった。

総体としては、ラクロスのプレイ中にアクション的なシーンがあって、おもしろかったんだけど。
〔追記終了〕