■「フラガール」をみた。
最近の僕はDVD鑑賞の回数がとみに増えた。
それらのDVDには、たいてい、おまけ映像としていろいろな映画の《予告編》がいくつも収録されている。そのなかに「フラガール」があった。
2006年公開のこの作品の名前を僕は聞いたことはある。
描かれているエピソードについても何となく知っていた。
「東北の炭鉱に常夏のハワイアンを作る」ということだ。
この映画の存在は完全に忘却していた。
が、DVDの予告編映像をみて、すぐに思い出した。
といっても、僕はそれほどの関心をこの作品に抱いたわけではない。
「蒼井優」がでているのか、とおもった。それに「岸部一徳」がいる。
「岸部一徳」はなんか気になる俳優なんだよね。
レンタル屋で、バスが来る時刻まで余裕がなく、ほんの数分もつかわずに選んだ2枚のDVDのうちの一つがこれであった。
きっかけは、ほとんどそれだけのこと。
でも、みて良かったと強く思う。
この記事を作成しはじめる前にオフィシャルサイトをのぞいた。
この映画はたくさんの賞を受賞したらしい。
それだけの価値がある映画だと思う。
ここに描かれている人間模様が、安易な感想をのべることをゆるさないような、本質的な深刻さをもつものだと思うので、それらの人編模様を表現してみせるいちいちの役者の演技などについてのべることはしない。のべるとすると、それらが歴史のなかで持つ意味についても、詳しく書き記さないわけにいかなくなることが予想される。この点に関して突っ込んだ記述を試みることが、すでに、僕にとっては大きな心理的な負担となる。一度はしっかりむきあって、言葉で表現しようと試みておくべき課題であるとは思うけれども、今は無理。(キーとなるpoint of viewは「時代の変化のなかでの人間」「諸々のしがらみのなかに生きている個々の人間の、まさにそのありさま」とでもなろうか。)
演出上のことについてひとつだけ感想をいうならば、一つ一つのエピソードを淡々と描き尽くして見せようとするのが大変好ましかった。不必要に過剰な演出がなかったことがこの映画の価値を高めていると思う。声高な価値判断の主張ではなく、現実の描写こそが説得力を持つことをしめす良い例だと思う。
ストーリー紹介もしない。そんなのはインターネットがあればすぐにわかる。
なお、僕は「蒼井優」を映画「花とアリス」でしった。
その前にテレビとか雑誌で彼女の姿をみたことはあるかもしれないが、意識をしたことはない。
「花とアリス」のなかで蒼井優は見事なバレエの踊りを見せてくれる。
それで僕は「蒼井優」を意識した。
「鈴木杏」とのやりとりもほほえましく、楽しかった。
蒼井優は幼少時からバレエを習っていたらしい。
だからだろうか、「フラガール」のダンサーたちのなかでも、蒼井優は《プリンシパル》的役をあたえられている。
見事だと思う。
ダンサーとしての身体表現も見事だと思うが、役者としての顔の表情もいいと思う。
セル用DVDのBOXセットがあって、そこにはいろんな特典映像が収録されているらしい。
それもみたい。
映画の本質に関わらない余計ごとではあるが、
最後のクレジットのなかに「則竹裕之」の名前を発見した。
ハワイアンの音楽のどこかで、パーカッションで参加していたのかなぁ。
背景音楽のレコーディングに参加しただけかなぁ。