■テレビドラマ「不死蝶」(金田一:古谷一行、1978年)をみた。
古谷一行が金田一耕助を演じたテレビドラマ「不死蝶」(全3回、1978年放送)をDVDで視聴した。
原作:横溝正史
放送年:1978年
本作は横溝正史シリーズⅡのなかの一作。
ツタヤで「昭和キネマ横丁」のコーナーにあるのを発見。
さっそく借りてきた。
事件が起こるのは昭和30年2月。
舞台は長野県諏訪あたり。
23年前の同時期に同じ場所でおきた出来事とのかかわりのなかで事件が展開する。
建物のなかでも吐く息は白い。
寒い。
が、「鮎川マリ」がオープンカーをはしらせている。
寒くない?
底なしといわれるほど深い井戸がある鍾乳洞。
出入り口は三つ。
が、そのうちのひとつは最初の殺人事件が起こってから一年後に発見された、と。
なんか不自然。
それはともかく。
原作を読まずに視聴した本作。
おもしろかった。
よくわかんないところはあるけれど。
よくできている。
全体を視聴し終わったあとで最初のほうだけ見直しをしたが。
金田一と古林が偶然同じ汽車で射水駅に到着したんだな。
金田一と新聞記者が話をしている横を古林がとおりすぎる。
矢部氏のこと、警察のこと、さらには23年前のことが話題になっているのを知ったからか、古林は金田一たちが階段をおりてくるのを階段の途中で待っている。
古林は金田一たちの会話を盗み聞きしていたのだろうな。
現代のシンデレラたる「鮎川マリ」を一目見ようと、教会のまえでまちぶせている地元の人たち。
なかからでてきた人を見て、「なんだ、きょうはおふくろのほうか」といわせている。
「マリ」と母親の「君江」がふだん別々に行動していることが、地元の人の無意識的なセリフからはっきりとしめされる。
「マリ」と「君江」が一人二役である可能性があるのだ。
本編のあちこちで視聴者の推理をミスリードするようなカットが不自然気味にいくつも挿入されてくるが、その一方で、作品の冒頭からいくつものヒントがなにげなく提示されていたわけで。
丁寧に再見すれば、きっと楽しいだろうな、と思った。
作品冒頭から金田一につきまとう新聞記者がいる。
一応の事件解決後、「都」の将来が傷つかないようにしたいという文蔵の願いをかなえるよう改編された説明がその新聞記者にむかってなされる。
そのあとでの金田一の推理の披露。
すごいどんでん返しだ。
そして、父と娘が相まみえ、康雄と都の急な東京行きの背景があかされるとともに、ブラジル行きまで決まる。
これはこれでハッピーエンド。
よい作品だった。
それと、「都」があちこちでかわいらしかった。