■映画「きみにしか聞こえない」をみた。
映画「きみにしか聞こえない」のDVDを再見した。
公開:2007年
本作を視聴するのはこれが二度目である。
再見時に僕が「いいなぁ」とおもったのはつぎのシーン。
「野崎シンヤ」(小出恵介)がはたらく「りさいくるらんど」に、オルゴールの修理を依頼しにある母娘がやってくる。
娘「なおらないのー」("00:32:29")
そのようすを上のフロアーからみおろす「シンヤ」。修理を引き受けてもらえず、帰ろうとする母娘を「シンヤ」が追いかけ、筆談でオルゴールの修理を引き受ける。(~"00:33:20")
こういうシーン。僕は好きだ。
なにが好きって、オルゴールを大事にしていた娘、修理工房たる「りさいくるらんど」にその娘をつれてきた母親。この2人の心情には僕はうれしいと悲しいがごちゃまぜになった気持ちをいだく。この母娘の行動のやさしさに幸せな気分になる一方で、かれらの願望が実現しないことに切ない気持ちになる。
そう、切ない。
すごく切ない。
そして、なおったオルゴールを母娘にわたす「シンヤ」。("00:58:11"~)
好きだなぁ。
それとつぎのシーンも好きだ。
体育の授業中に《頭のなかの携帯》で「シンヤ」が「リョウ」(成海璃子)にいったセリフ。
シンヤ「そんなことないよ。すごくかわいいステキな声だった。」("01:02:39")
体育館の隅で見学をしていた「リョウ」は、その直後、転がってきたバスケットボールを「いくよー」と大きな声で友達に投げてわたす。("01:03:05")
家に帰った「リョウ」はピアノの鍵盤のふたを開け、実際にひきはじめる。("01:04:11"~)
ひとりの人間がこのように明るい気持ちを取り戻していくシーン。僕は好きだ。
さて。
僕が本作を初見したのは2010年9月8日である。そして、再見をしたのはこの感想記事を書いている2011年7月23日である。
再見をしたい作品であると思いつつ、初見から再見まで10ヶ月ほどのまがあいたことについては、僕の意識上のレベルで本作の再見を避ける特別な理由があったわけではない。
以前住んでいたところの最寄りのツタヤには本作がおかれていなかったことにより、再度レンタルをしてくる機会がすこし得にくかったことがまずひとつ。(最寄りのツタヤから少しはなれたところにあるツタヤでは本作のあつかいがあり、ぼくが初見したDVDはそこでレンタルしてきたものである。)
東京に引っ越してきてからは、最寄りのレンタルショップに本作があることは知っていても、そもそもDVDを視聴する余裕をもつことができずにいたことがもうひとつ。
理由はそれだけである。
さてさて。
本作の初見は2010年9月8日の朝がたであり、その日の日記(内部リンク:■9月8日(水)のこと。~ギターいじり開始~)には本作について「名作だとおもう。」と記してある。
この記事を書くためにこのブログの過去の記事を調べてみたら、《下書き記事》の地層に「2010年9月8日07時52分」のタイムスタンプのついた感想文的雑文がのこされていることに気がついた。僕はこの雑文の存在を完全に忘れていた。
時刻からすると、僕がこの雑文を書いたのは初見直後のようである。初見直後は本作に猛烈に感動していたことがわかる。
過去に僕がなにを感じていたのか、振りかえるための記録として初見直後のこの雑文を以下にコピペして、この記事を終わらせたいと思う。
(初見直後の雑文を読み返した今、追加的雑感として再見後の感想をひとつ述べるとしたら、つぎの一文になる。:「ピカピカのラジカセには違和感をバリバリ感じまくった」。以上。)
■「きみにしか聞こえない」をみた。
映画「きみにしか聞こえない」のDVDをみた。
2007年、107分
公式サイト(http://www.kimikoe.jp/top.html)
成海璃子・・・相原リョウ
小出恵介・・・野崎シンヤ
八千草薫・・・シンヤの祖母
片瀬那奈・・・原田リョウ(10年後のリョウ)
名作です。
見おえて、僕は(生きててよかった)と思いました。
* * * 小出恵介。
そんなに大事なもの。
だから、きみにプレゼントしたんだ。
頭のなかの携帯。久しぶりだから。
原田さん。野崎さんのことご存じですか? 野崎さん?
そして、その原田さんの左手の薬指には指輪。
そして、原田さんは、今26歳、ピアノの先生。
小学二年生のとき、ピアノの発表会でトラウマをおい、ピアノをやめたりょう。
家族が出かけたあと、一度はピアノの鍵盤をおそうとするが、どうしてもできなかった。
野崎と話をするようになって、自分に自信が持てるようになり、ピアノにふれることができるようになり、10年後のいまでは、ピアノの先生。
若い母親と小さな女の子が、壊れたオルゴールをもってやってくる。
そのオルゴールを直してあげるしんや。
ああいうシーンが大好きだ。
鎌倉の海岸で、しんやのなおしたラジカセに向かって声を吹き込むりょう。
かわいい女の子には、このときのりょうのように、あかるい表情でいてほしい。
ホコリをかぶった状態で地べたに放置されていたあのラジカセが新品同様にピカピカで、傷ひとつみえないというのは、ありえない。。。という突っ込みをいれたくなったが、成海璃子がラジカセに向かってさけぶ姿を見たら、そんな突っ込みはどうでもよくなった。