■「のだめカンタービレ 最終楽章(前編)」をみた。
映画「のだめカンタービレ 最終楽章(前編)」のDVDをみた。
公開:2009年
作品の冒頭、ウィーン楽友協会の大ホール。
黄金のホールだ。
あそこで生で音楽を聴きたい!
DVDを再生しはじめてすぐに 強くそう思った。
ルー・マルレのシーズン最初の演奏会で千秋がバッハの弾き振りをする。
バッハを聴きたい。
そう思った。
映画のまえ半分にしきりに挿入されてきた「ペールギュント」の音楽。
とおしで聴きたい。
そう思った。
(近くの小学校からよく「ペールギュント」がきこえてくるんだよね。耳にするたびに気になって仕方がない。)
僕が一時期好きでよく聴いてきたチャイコフスキー。
今、あらためて聞き直せば、きっといろんな発見があるだろうなぁ。
そう思った。
ただ、肝心の映画(=文芸的映像作品)としては……
????????????
心の動きの表現(鑑賞する側からすれば、心の動きの把握)に根拠をあたえるはずの登場人物たちの行動の描写がこんなにもスカスカでいいの? 省略されすぎ。
マーラーのアダージェットはせつない気持ちを生じさせるけれども、なぜそこで登場人物はせつない気分になるのか、その根拠を説得的にしめす行動の描写がないところでこの音楽をながされても、むなしい。
なぜこの人はここでこういう言動をしたのか、それがわかるように、そこにいたる経緯をきちんと描き出してほしい。
……
だから、この映画についてあたかも文芸作品として位置づけて感想をいおうとすると酷評になってしまうなぁ、と思って、DVDを再生している最中から僕は困ってしまった。
劇中に流れる音楽については、(音楽っていいなぁ)と正直に思った。
しかし、ドラマ・映画としては、残念ながら、どうにも。
ただ、この映画を視聴したことをきっかけにしてクラシック音楽が好きになる人がふえてくれたら、僕はうれしいなぁ。
最後に、視聴したのが本作ではなくても僕が考えたであろうこと。
それは、自分の能力を生かす場に自分の身を置くことの重要さ。
そうしないと、ホント、もったいない。
はやく東京にもどりたい。
いや、東京ゆきそのものが目的ではない。
今の地方の状態をかんがえると、地方での職探しはおよそ考えられない。
就職の大前提として東京をめざさなければならない(と思う)。
大事なのは、そこでは非常に多くの人との出会いがあるということ。
人付き合いが嫌いであることにかわりはないが、人付き合いが大切であること、そこで自分を生かすための努力こそが必要であることを思い知らされ、(今度こそ)という心づもりにやっとなれた僕は、やっぱり人のたくさんいるところで、自分ができることから新しいことをやり始めたいなぁ、と思う。
音楽家と知り合いになるとか。
音楽って、いいなぁ、と。